京極れきし再発見 16

  聖ドミニコ修道院は純和風建築
  



かつては、和室でミサが行われた
 ドミニコ幼稚園を運営することで知られる、梶井町の聖ドミニコ会女子修道院の話題 です。幼稚園の南側に、重厚な和風の門があって中にお屋敷が見えます。このお屋敷 は、明治時代の実業家で文化人である藤田伝三郎男爵が別邸として建てたものです。 藤田男爵は、関西でたくさん企業を創業する一方、茶人、美術収集家としても有名な文 化人でした。各地に邸宅があって、大阪の邸宅は、藤田美術館と太閤園になっており、 京都ではホテルフジタもその邸宅の跡です。
 さて、梶井町のお屋敷は何度か持ち主が変わった後、聖ドミニコ会が入手し、昭和28 年に女子修道院を開設しました。ただし、屋敷内に別の建物を建てて修道院としたの ではありません。この純和風のお屋敷をそのまま使い、その中で活動されて来ました。
後に、屋敷と庭園の一部を撤去して、新館や幼稚園の新しい建物が建てられました が、今も修道院の中とは思えない、立派なお座敷や日本庭園が残されています(古い 建物と、庭園の維持に苦労されているそうです)。

2005年3月


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