京極れきし再発見 19

  織田信長の墓(阿弥陀寺)の謎解き本がベストセラーに





本堂の織田信長像

 今、「信長の棺」(渡辺廣著)という小説が売れています。小泉首相が愛読していると いう報道があって、ベストセラーになりました。この本は「本能寺の変」の謎を解いてゆ く歴史推理小説なのですが、そこで謎の一つとして、寺町通の阿弥陀寺にある織田信 長の墓が取り上げられています。

 お寺の伝承によると、「本能寺の変」の知らせを受けた阿弥陀寺の清玉上人は、すぐ に本能寺に駆けつけ、そこで家臣と一緒に信長の遺体を火葬して、骨を持ち帰ったと 伝えられます。しかし、人がそんなに簡単に火葬できるのでしょうか。
 かといって、全くの作り話ではないのです。当時、一般には信長の遺体は行方不明と いうことになっていたようですが、信長と親しい貴族の日記には阿弥陀寺に墓があるこ とが書かれており、信長が密かに阿弥陀寺に葬られたことは確実です。清玉上人は、 どのようにして信長の遺体を明智光秀の手に渡すことなく、引き取ることができたので しょうか。小説「信長の棺」では、大胆な仮説でその謎を解いています(その中身は本を 読んでください)。さて、真相は?

2005年10月


京極れきし再発見 目次へ