今、「信長の棺」(渡辺廣著)という小説が売れています。小泉首相が愛読していると
いう報道があって、ベストセラーになりました。この本は「本能寺の変」の謎を解いてゆ
く歴史推理小説なのですが、そこで謎の一つとして、寺町通の阿弥陀寺にある織田信
長の墓が取り上げられています。
お寺の伝承によると、「本能寺の変」の知らせを受けた阿弥陀寺の清玉上人は、すぐ
に本能寺に駆けつけ、そこで家臣と一緒に信長の遺体を火葬して、骨を持ち帰ったと
伝えられます。しかし、人がそんなに簡単に火葬できるのでしょうか。
かといって、全くの作り話ではないのです。当時、一般には信長の遺体は行方不明と
いうことになっていたようですが、信長と親しい貴族の日記には阿弥陀寺に墓があるこ
とが書かれており、信長が密かに阿弥陀寺に葬られたことは確実です。清玉上人は、
どのようにして信長の遺体を明智光秀の手に渡すことなく、引き取ることができたので
しょうか。小説「信長の棺」では、大胆な仮説でその謎を解いています(その中身は本を
読んでください)。さて、真相は?
2005年10月
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