仏陀寺(寺町上立売を上る1つ目のお寺)は、平安時代の朱雀天皇の退位後の御所
である「朱雀院」がお寺に改められて現在まで続いている、由緒あるお寺です。
この仏陀寺の寺町通に面した門の左側に、お堂があるのに気づいておられるでしょう
か。そのお堂の中をガラス越しにのぞくと、高さ90センチほどの木造のお地蔵様が座っ
ておられます。このお地蔵様は「王城地祭地蔵尊」と言い、そのお名は京都と皇室をお
守りする仏様であることを意味しています。優しいお顔で、静かな雰囲気を持ち、平安
後期に当時の超一流の仏師によって造られた仏像です。
このような大切な仏様が表通りに祀られているのには、理由があります。地蔵菩薩
は、人々の苦しみを受け止めて、救って下さる仏様です。しかも、年令や身分や宗派を
問わず、あらゆる人々に救いの手を差し伸べて下さいます。出来るだけ多くの人々に
拝んでいただくために、どなたでも手を合わせることの出来る門前に祀られているとの
ことです。ぜひお参り下さい。
2005年11月
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