京極れきし再発見 22

  戦国時代のスーパードクター「曲直瀬道三」のお墓



曲直瀬道三の墓



曲直瀬道三の顕彰碑

 十念寺(寺町通)の前に「曲直瀬道三墓所」の石碑が立っています。そのお墓は墓地 の奥にあって、時代が古いために今から見れば小ぶりなお墓です。
この曲直瀬道三(まなせどうさん)は「日本医学中興の祖」とされる戦国時代の名医で す。西洋医学が入る前の日本の医学を確立した人で、道三の処方の漢方薬が今も使 われているそうです。

 戦国・安土桃山時代に京都を制した権力者は、いずれも曲直瀬道三から生活指導 や治療を受けました。道三を重用した権力者には、足利義輝、三好長慶、松永弾正、 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康がいます。このことは、道三が医学だけでなく人間的 に特別に信用されていたことを示します。権力者の健康状態は、いつの時代でも最高 機密だからです。

 一年ほど前に発行された新書本「戦国武将の養生訓」(新潮新書)は、曲直瀬道三が 毛利元就に贈った「養生俳諧」を紹介したものです。これは、120の和歌で健康的な生 活の心得を説いたものです。いくつか紹介しましょう。

  酒とても よハぬ程にて 愁去り 心をたすけ 気も通うなり
    (ほどほどの飲酒は、心を休める効果がある)

  ゆあがりの 其ぬれ髪ニ いぬる人 頭風の共なり 目もまふぞかし
    (髪がぬれたまま寝ると、頭が痛くなり目まいがするぞ)

 2006年3月


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