5月18日の夕刻、御霊祭は、3基の神輿の宮入りでクライマックスを迎えます。この
宮入りの神事をしめくくるのが「末広の拝殿上げ」です(末広は出雲路地区の別称)。
3基の神輿の最後に中之御座(末広神輿)が宮入りし、境内で何度も差し上げられた
後、梶棒がはずされると、いよいよ拝殿上げです。
22人の出雲路の男たちが、神輿に掛けた綱を肩にかつぎ、神輿を腰の高さで支え
て、そのまま拝殿の上にかつぎ上げます。そこで一呼吸置いた後、神輿は激しく何度も
上下に振られ、激しい動きに綱が若衆の肩に食い込みます。大暴れをした神輿は、拝
殿の真ん中に据えられ、祭りの無事を祝う三本締めが行われて神輿渡御が幕を閉じ
ます。
他の2基の拝殿上げでは、神輿を手で支えるのに対し、中之御座は綱を掛けて神輿
を支えます。これは、梶棒をはずして裸になった神輿を直接かつぐことを避けるためだ
と伝えられています。また、かつぎ手は末広神輿会の22人と決まっていて、他の神輿
会の者が加わることはできません。これらのことから、「末広の拝殿上げ」は御霊祭の
中でも、特別な行事とされています。
2006年5月
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