京極れきし再発見 30

  姿を現した秘仏・弁才天の姉妹 <出町弁財天の史話2>


白雲神社(京都御苑内)


白雲神社 弁財天像


 貴族の西園寺家は、琵琶の家元だったことから、琵琶を弾く姿の弁才天像を作り、屋 敷内の“妙音堂”にまつって来ました。この妙音堂は “白雲神社”と名前を変えて、京都 御苑の中の西園寺邸の跡に残っています。

 一方、伏見宮家もまた西園寺流を伝える琵琶の家元であり、屋敷内に妙音堂を作っ て弁才天をまつっていました。その後身が“出町妙音弁才天”です。その御本尊である 画像は、西園寺家の弁才天の姿を写したものと伝えられています(ですから、白雲神 社と出町妙音弁才天は姉妹なのです)。

 西園寺家と伏見宮家の弁才天像は、邦楽研究者の間では、昔からその存在が知ら れていましたが、姿は分からない謎の存在でした。しかし、近年、秘仏となっていた二 体の弁才天が相次いで開けられ、美しい姿を現しました。

 西園寺家(白雲神社)の弁才天は、木造彫刻でした。菩薩の姿で、琵琶を弾く珍しい 形の弁才天(鎌倉時代作)で、平成14年に重要文化財に指定されました。
 伏見宮家(出町妙音弁財天)の弁財天は画像で、平成13年に約100年ぶりに開け られました。艶やか弁才天が岩の上に座って琵琶を奏でています。その裏には、伏見 宮家の初代栄仁親王の父である崇光天皇の書付があり、宮家に500年伝えられてき た像であることが確認されました。

2006年11月


京極れきし再発見 目次へ