京都は千年の都ですから、その市街地の下にはたくさんの遺跡が眠っています。し
かし、密集した住宅地で遺跡発掘をするのは難しく、ほとんど調査されることがありま
せん。京極学区でも、市街地の発掘調査が行われたことなく、地下がどのようになって
いるのか全く分かっていません。
ただし、同志社大学の構内だけは例外です。同志社大学は、考古学の研究で有名な
大学ですから、その構内で工事がある度に自ら発掘調査を行ってきました。
塔之段地区では、1988年に同志社幼稚園の立替えに伴って、その敷地の発掘調査
が行われました。その結果、地下1メートルまでの間から、室町時代から江戸時代のた
くさんの遺構が見つかりました。ここは江戸時代には、貴族の二条家のお屋敷の端っ
こでしたから、生活に伴う遺構が多く見つかったとのことです。ゴミを埋めた穴が約150
ヶ所。井戸が12基。石積みの地下貯蔵庫が14基。墓が1基。建物は3件。これらの穴
からは、たくさんの陶器の破片が見つかっています。それほど広くはない範囲にこれだ
けの遺構があるのですから、500年にわたって人々が暮らしてきた跡はすごいですね。
2007年2月
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