京極れきし再発見 43

  謎の陰陽師の集団・大黒党



萬歳の門付けをする唱聞師
(上杉本 洛中洛外図屏風より)



 大黒党は、室町時代から明治維新まで、塔之段付近を拠点に活動した陰陽師(おん みょうじ)の一党です。室町・戦国時代の塔之段から上御霊に掛けての一帯には、いく つかの唱聞師(しょうもじ)の村がありました。この唱聞師というのは、大衆の中で活動 した陰陽師です。陰陽道の呪術・儀式とともに、占い・萬歳・舞などの芸能を行うことを 生業としていました。大黒党は、塔之段の唱聞師の中で勢力を持ち、あるいは統括して いたようです。しかし、断片的な記録しか残らず、その実態は謎に包まれています。

 大黒家は、江戸時代に入ってからも塔之段(毘沙門町北部)に屋敷を構え、朝廷の 正規の陰陽師である土御門家(つちみかどけ)の配下として、朝廷の儀式も勤めまし た。特に、宮中で一月十八日におこなわれる左義長という祭事では、必ず大黒党が舞 を行なうことになっていました。
 江戸時代の始めには、大黒家が地方の陰陽師に対して免許を発行したことから、そ の免許の権利を巡って、主家の土御門家と争ったことがありました。澤田ふじ子氏の 小説「鴉婆」(からすばば)は、この争いをヒントにして、土御門家と大黒党の配下の陰 陽師たちの活躍を描いています。

2008年1月


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