京極れきし再発見 44

  幻の大寺・四つの出雲寺



山科毘沙門堂の寺名額



 出雲寺は、平安遷都以前からこの地にあった大寺ですが、平安時代後期には姿を消 しました。ただし、この出雲寺の名前は、次々と継承され、今までに4つの出雲寺があ りました。しかも、この4つの出雲寺の全てが、形や、名前や、場所を変えながら、現在 も残っています。

1.上出雲寺
本来の出雲寺(上出雲寺)は、平安時代に衰退した後も、境内にあった御霊堂だ けが残り、上御霊神社になりました。上御霊神社の境内から、奈良時代の出雲 寺の瓦が発掘されています。

2.下出雲寺
平安時代に出雲寺が二つに分かれ、下出雲寺が造られました。場所は、相国寺 の辺りだろうといわれていますが特定されていません。このお寺は、後に下御霊 神社となり、二回の移転を経て現在の寺町丸太町に移りました。

3.出雲寺毘沙門堂
鎌倉時代には、これとは別に出雲寺が塔之段に再建されました。この寺は、毘 沙門天を本尊としていたことから毘沙門堂と呼ばれ、その跡地が毘沙門町(上立 売寺町西入4筋目)です。この再建出雲寺は、江戸時代初めに山科に移されまし た。現在、山科駅の北方の山中にある山科毘沙門堂がこれで、その寺名は今も 出雲寺です。

4.出雲路観音
江戸時代の上御霊神社には、観音堂があって、出雲寺の遺品である出雲路観 音がまつられていました。この仏像は、明治維新の際に、藪ノ下町の念仏寺に移 され、後に念仏寺は寺名を出雲寺に改めました。藪ノ下町の北端にある小さなお 寺が、その出雲寺です。

2008年2月


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