出雲寺は、平安遷都以前からこの地にあった大寺ですが、平安時代後期には姿を消
しました。ただし、この出雲寺の名前は、次々と継承され、今までに4つの出雲寺があ
りました。しかも、この4つの出雲寺の全てが、形や、名前や、場所を変えながら、現在
も残っています。
1.上出雲寺
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本来の出雲寺(上出雲寺)は、平安時代に衰退した後も、境内にあった御霊堂だ
けが残り、上御霊神社になりました。上御霊神社の境内から、奈良時代の出雲
寺の瓦が発掘されています。
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2.下出雲寺
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平安時代に出雲寺が二つに分かれ、下出雲寺が造られました。場所は、相国寺
の辺りだろうといわれていますが特定されていません。このお寺は、後に下御霊
神社となり、二回の移転を経て現在の寺町丸太町に移りました。
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3.出雲寺毘沙門堂
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鎌倉時代には、これとは別に出雲寺が塔之段に再建されました。この寺は、毘
沙門天を本尊としていたことから毘沙門堂と呼ばれ、その跡地が毘沙門町(上立
売寺町西入4筋目)です。この再建出雲寺は、江戸時代初めに山科に移されまし
た。現在、山科駅の北方の山中にある山科毘沙門堂がこれで、その寺名は今も
出雲寺です。
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4.出雲路観音
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江戸時代の上御霊神社には、観音堂があって、出雲寺の遺品である出雲路観
音がまつられていました。この仏像は、明治維新の際に、藪ノ下町の念仏寺に移
され、後に念仏寺は寺名を出雲寺に改めました。藪ノ下町の北端にある小さなお
寺が、その出雲寺です。
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