大正時代頃まで、寺町通に沿って川が流れていたことを、以前に紹介しました。この
川は、御霊神社から相国寺に向けて流れていた今出川(中川、京極川)から分かれた
流れでした。
この川に架かっていた橋が2ヶ所に残っています。
その1つは、十念寺の本堂の前にあります。枯山水の庭に橋が2つ作ってあります
が、これは十念寺の門前に架かっていた橋の橋板を移したものです。一方の橋には、
小さな橋柱が一緒に移されており、ここに天保六年(江戸末期)の年号が入っていま
す。
もう1つ、橋が完全な形で残っているところがあります。寺町通を下った川は、今出川
通を東に曲がり、一部は河原町通を南下し、一部は出町妙音弁財天の前を通って加
茂川に流れ込みました。橋は弁財天の鳥居の前に残っています。この橋には明治四
十二年の年号が入っていますが、川が流れていたのは大正時代頃までなので、実際
に橋として機能していたのは短い間です。
2008年7月
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