学生運動の歴史の中で、有名な事件に「荒神橋事件」があります。
昭和28年11月、国の政策に反対して大学を改革しようという教員や学生が、京都に
集まり、各大学で「学園復興会議」を開催しました。その会議の最中の11月11日、東
京から運ばれてきた「わだつみの像」(平和を願うブロンズ彫刻)を迎えるために、京大
生のデモ隊約200名が立命館大学(広小路)を目指して、荒神橋に差しかかりました。
そこで、中立売署の警官隊と押し合いになり、その圧力で荒神橋の欄干が崩れて、学
生が川に転落し11人が重軽傷を負いました。
その夜には、各大学から、事件に抗議するたくさんの学生が京都市警察本部(この
時期は府警がない)へ押しかけ、強制排除しようとした警察と激しい衝突となりました。
今の荒神橋ののどかな景色からは想像できない、熱い時代がありました。
なお、立命館大学(広小路)に設置されたわだつみの像は、昭和四十四年に全共闘
によって破壊されましたが、後に再建され、今は立命館大学の国際平和ミュージアム
(衣笠)にあります。
2008年8月
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