加茂川堤防に並ぶ桜の木は、4月の初めにいっせいに咲き、見事な景色を見せてく
れます。この桜の並木には、今はあまり使われませんが「師範桜」と言う呼び名があり
ます。
出町から上賀茂まで続く桜は、明治時代に、京都府師範学校の教職員、学生、付属
小学校生徒が、費用を出し合い、約10年をかけて植えたものです。この京都府師範
学校は、京都教育大学の前身で、当時は今の付属小中学校の場所(新町紫明)にあり
ました。桜の植樹は、明治38年に日露戦争の終結を記念して計画され、この年の11
月に、教職員と学生が8日間をかけて、桜を約2300本、楓を約700本植えました。こ
の後も、大正3年までかけて、約2500本が追加されました。
出雲路橋の西詰に、明治38年に立てられた、師範桜の記念碑があります。碑には、
崩し字で「志波無桜碑」(しはむ桜碑)と書かれています。「志波無」の部分は「師範」を
特殊なひらかな(変体かな)で書いたものです。
2009年3月
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