京極れきし再発見 60

  出町の秘仏 日蓮聖人ゆかりの釈迦如来像(本禅寺)


秘仏釈迦如来像がまつられる本禅寺釈迦堂

寺町通の門前に立つ石碑

 
 京極小学校の斜め向かいの本禅寺にまつられている釈迦如来立像(銅造)は、日蓮 聖人が生涯手離すことなく持ち歩かれた仏像です。この像は秘仏で、1年に2回、4月 と10月に御開帳されます。

 この像は、日蓮聖人の没後、本圀寺に伝えられましたが、戦国時代にお寺が焼打ち にあった時に持ち出され、1兵士(野沢又七郎)の手に渡ります。兵士は、近江の自宅 に像を持ち帰りましたが、像を粗末に扱ったために息子が奇病にかかりました。そこで 村の庄屋(今井道順)は、お寺を建てて仏像をまつり、後には、このような霊像を小さな 村に置いていてはいけないと考えて、本禅寺の日覚大僧正を頼って京都に移しまし た。以来450年間、本禅寺に伝えられています。

 秘仏は10月13日のお会式(日蓮聖人のご命日)の日にご開帳されます。午後1時 から本堂での法要のあと、一時半過ぎから正面の釈迦堂で御開帳があります。檀信徒 が中心の行事ですが、地元の方もぜひお参りくださいと貫主様(御住職)からうかがっ ています。

2009年10月


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