京極れきし再発見 66

  御霊祭の事件簿





 本年も、御霊祭(5月18日)が近づいており、着々と準備が進められています。
昨年の本欄で、幕末の文久3年(1863)の御霊祭の日に、御所でクーデター(八月十 八日の政変)が発生して祭が中止になったことや、その翌年は、御霊祭が御所に参内 した翌日に禁門の変が発生したことを紹介しました。1150年の歴史をもつ御霊祭で すので、過去にも色々な事件が起きています。記録にあるものを紹介します。

長和4年(1015)平安時代中期 
御霊祭が例祭となっていたことが分かる最古の記録です。童(子供の姿のままで 貴族に仕える大人)が多数で乱闘騒ぎを起こし、馬で走り回ったことが記録され ています。逆に、事件があったおかげで、記録が残ったともいえます。

元応2年(1320)鎌倉時代 
御霊祭で騒動があり、路上に神輿を放置して引き上げてしまった。

永享4年(1432)室町時代
御霊祭で使っていた火が、仙洞御所の屋根に飛んで火災となる。気がついた人 が屋根に上って消し止めた。

寛正元年(1460)室町時代
御霊祭の日に大地震があり、相国寺で建物が倒壊した。

天文10年(1541)戦国時代
御霊祭で喧嘩があり、神輿を壊しまった。

 昔のお祭では、よく喧嘩をしていたようです。現在の御霊祭では、もちろん喧嘩は禁 止されています。今年もお祭が無事に行なえるよう、京極学区のみなさんの応援をお 願します。 

2010年4月


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