「梨の木旅館」は、幸神社の前にある民家風の小さな旅館です。女将さんの細やかな
接客で評判が良く、また外国人に人気があって、宿泊客の半分は外国人です。
女将の山森都代子さんが旅館を始めたのは昭和四十五年で、その目的は、エジプト
に行くためだったそうです。山森さんは、以前からエジプトに憧れて勉強をしていました
が、当時は団体ツアーなどがなく、エジプトを訪問するにはかなりの費用がかかりまし
た。そこで、旅費を稼ぐために(小中学生の子供がいたため)家でできる仕事として始
めたのが旅館でした。もっとも、それまで旅館の経験など、まったくなかったそうです。
それでも、開業は大阪万博の年で、すぐに繁盛しました。
そのころ、知人の紹介で外国人を泊めたところ、外国人が気軽に使える旅館として口
コミで評判が広まり、外国の観光案内で紹介されるようになりました。英語は、後から
必要に迫られて覚えたそうです(女将さんは何でも体当たりです)。
「梨の木旅館」は、部屋数が六室と少ないので、それぞれのお客さんに合わせたもて
なしができます。ビジネスホテルが増えて、和風旅館が減る中で、本当の旅の心が味
わえる宿として頑張っておられます(電話 075-241-1543)
なお、女将さんの、エジプト趣味はその後もますます発展し、現在も続いています。そ
の話はまた改めて紹介します。
2011年1月
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