出町こだわりガイド
出町観光ガイド独自の視点で、見どころを紹介します
御靈神社
(上御霊神社)
ごりょうじんじゃ
(かみごりょうじんじゃ)
御霊神社の御祭神は、奈良時代から平安時代にかけて、政治的な争いに巻き
込まれて非業の死を遂げた方々です。8人の神様を祀ることから、その御祭神は
八所御霊と呼ばれます。
御霊神社の最初は、平安遷都の際(794年)に、大和国宇智(五条市)から、
井上内親王と他戸親王の霊を移して創建されたとも、崇道天皇祀るために創建
されたとも伝えられ、最初は、出雲寺というお寺の中にありました。
室町時代の京都は、上京と下京の2つの町に分かれていましたが、御霊神社
は、その上京の氏神として信仰されました。上京には内裏や足利幕府があり、
皇室や将軍家から崇拝を受けました。
5月18日に行われる御霊祭は、貞観5年(863)に神泉苑で行われた御霊会
を起源とする古い祭礼で、3基の神輿が、出町商店街をはじめとする氏子区域を
勇壮に練り回ります。
御靈神社の石造物
上京の氏神として古来より信仰されてきた御霊神社の境内には
江戸時代初期から現代に至る、様々な石碑、狛犬、石灯籠などが
あります。これらの石造物の1つ1つに、様々な歴史があると思わ
れますが、中には、既に由来が分からなくなっている物もあります。
1 松尾芭蕉 句碑
松尾芭蕉は、元禄3年(1690)の12月に、門下の
川井乙州が関東に旅立つのを送るために、京都の
一門の人々と一緒に、御霊神社の宮司宅に集まって
歌の会を行いました。句碑には、その発句(最初の
句)として芭蕉が読んだ句が刻まれています。
「半日は神を友には年忘れ」
2 富士谷御杖 歌碑
富士谷御杖(ふじたに みつえ)がは江戸時代後期の
国学者で、文政5年に、御霊神社の本殿の修復の際
に読んだ歌が刻まれています。富士谷御杖は国語学
を修め、助詞の研究や、言霊の研究にとり組みました。
御霊神社の3つの歌碑は、異なる時代に、異なる立
場から、言葉(日本語)を探求した方々のものです。
3 新村 出 歌碑
新村出(しんむら いずる)博士は、大正から昭和の
言語学者で、広辞苑(初版)を作成した人です。
新村博士の屋敷は「鞍馬口駅」の西北にあって、今
は新村出記念財団の本部となっています。歌碑は、
新村博士が80歳の誕生日に神社に参詣した際に
読んだ歌を刻んでいます。
4 狛犬
御靈神社の狛犬の中で、特に古いもの
です。年号が入っていないため、建造
年代は分かりません。定型化する以前
の狛犬で、愛らしい顔をしています。
5 応仁の乱勃発地 石碑
戦国時代以前の御霊神社は、大きな森に囲まれてお
り、これを御霊の森と言いました。応仁元年(1467)
1月18日 御霊の森に陣を敷いた前管領の畠山政長
に対して、畠山家の家督を争う畠山義就が攻撃を加え、
これをきっかけに11年間に渡る応仁の乱が始まりま
した。石碑は西門の前に立っています。
6 花御所八幡宮 石碑
かつて、寺町鞍馬口の北に、五所八幡宮という神社
がありましたが、明治の初めに廃止され、本殿は
御霊神社の境内に移されました。西門の前に立つ
この石碑は、その五所八幡宮のものと思われます。
室町幕府(花の御所)の横に御所八幡宮という神社
があったので、そちらの石碑だという人もいます。
7 花御所八幡宮の鳥居
花御所八幡宮(五所八幡宮)は、現在は御霊神社の
本殿に向かって左側にあります。その前に立つ鳥居
は、御霊神社の境内で1番古い石造物で、明暦4年
(1658)の年号が入っています。また、前の石灯篭
は元禄5年(1692)のものです。これらは、五所八
幡宮の旧地から移されたものと思われます。
8 寛文の石灯篭
松尾芭蕉の句碑の背後に立つ石灯篭です。
御霊神社境内には、たくさんの石灯篭がありますが、
最も古い年号が入っているのが、この灯篭です。
軸部に寛文4年(1665)の銘文が刻まれています。
9 中御霊社の石灯篭
中御霊社は、上御霊神社と下御霊神社の共通の御
旅所で、廬山寺の南側にありました。江戸時代には、
祭りの際に、両社の神輿が 1ヶ月の間ここに留まりま
した。しかし、神社は明治維新の時に廃止されました。
本殿前に「中御霊社」と刻まれた1対の灯篭があり、
中御霊社の旧地から移されたものと思われます。
囀市 (さえずりいち)
毎月18日に開かれるフリーマーケット
ささやかな縁日ですが、お店もお客も
のんびりした雰囲気がその特徴です。
(5月は御霊祭のため、お休みです)
御霊祭
5月18日。三基の神輿が氏子区域を
練り歩きます。祭のクライマックスであ
る御霊神社への宮入では、神輿が激
しく振られ、何度も差し上げられます。
清明心の像
北宋の政治家・司馬温公が子供の頃
甕に落ちた友達を助けるため、高価な
甕を石で割って助けた故事を表します
国際児童年(1979)に作られました。
いちはつ
神社の南側の堀に植えられています。
御霊祭の前の、4月後半から5月前半
に、かきつばたに似た花をさかせます
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